ニューカッスル病ワクチンの整備マニュアル
平成15年度より、JOCでは当時北里大学の竹原一明准教授(現在東京農工大学大学院教授、JOC特別会員)の協力を仰いで、オーストリッチ生体への鶏用ワクチン接種による抗体反応実証試験を実施し、その成果を基にワクチン接種プログラムの推奨例を策定した。
このマニュアルは、皮下注射での不活化ワクチンの接種が難しい現場の実情を想定して、初めての場合には第1段階(1st step)として生ワクチンの点眼接種を推奨例としている。
竹原准教授によると「通常は、生ワクチン接種2から4週間後に不活化ワクチン注射が望ましいが、生ワクチンのみでワクチンスケジュールを組むとすればマニュアルのような形になる。これまで省力的な飲水投与が行われていたこともあるが、実際の効力は疑問であり、点眼が望ましい。
大きなオーストリッチへの生ワクチンの点眼接種が難しいのであれば、飲水投与よりは、スプレーでの散霧の方が効果が期待できそうだ。
いずれにせよ、効力について調べるため、定期的な採血と抗体価測定が必要である。
確実な高い効果を必要とする場合には、2nd Stepのように、生ワクチン投与後の不活化ワクチンでのブースター(追加免疫)がよい。」と説明している。
実施する際の手続きや手順についてはフローで示してある。
獣医師とワクチン接種の必要性を相談した際に、獣医師が発行しなければならない指示書(処方箋のようなもの)の作成に、この推奨例を参考にして、現況の問題である指示書が出せないということを解決させる手立てに活用できる。
上述の整備事業は、日本オーストリッチ事業協同組合(JOIN)が採択した全国中小企業団体中央会の助成事業「中小企業活路開拓調査・実現化事業」の実施に伴い、JOCとJOINからの選抜によって結成された委員会が、各地で開催した研究会での調査結果などを踏まえて、マニュアル策定や発表準備を進めてきたものである。
◆NDワクチン実施関係機関と整備手順◆