資料・JOCジャーナル 2011年7月6日掲載 / 記事番号:6104012861

JOCジャーナル79号

飼養生産者にとってJOC,そしてJOINとは?

オーストリッチ飼育に関する情報・JOCの活動内容・会員情報が掲載されています。
(最新号は会員のみ入手可能となっております)

日本のトップクラスの研究者の方々に、分かりやすく書いていただいております。

連載記事

 5月27日に東京都台東区の東京文化会館においてJOC並びにJOIN、両団体の通常総会が開催され、平成23年度に向けた事業がスタートすることとなった。国内のオーストリッチ産業の社会的基盤づくりに取組むJOCに対して、JOINは産業の生産基盤づくりに取り組んでいる団体である。 このふたつの団体が車の両輪となって、オーストリッチ産業の関係者、とりわけ飼養生産者の事業に必要な整備を進めている。JOCとJOINがその機能や役割をきちっと分担し、時には連携を図り、協同一致で事にあたる。 例えば、牛肉の生食による食中毒問題に関連して言えば、過去JOINの指定食肉処理場の創業開始以前に、衛生や防疫に対する基盤づくりがJOCにおいて成され、JOINにおいてそれを実践に活かすシステムづくりがされた。それらを実践している処理場がJOIN指定食肉処理場となった。 そのシステムによって、処理前後及び処理する工程から製品仕様まで徹底した衛生管理基準に従い作業がなされているし、東京農工大学の協力の下、搬入される全生体の血液及び気管は検体として個体の病歴やウィルス分離検査のモニタリングをお願いしている。これはJOCとJOINが機能と役割を分担して取り組んでいる事例である。

またJOCが仕様管理技術の情報を収集配信し、JOINが助成事業を活用し、飼養生産事業の生産性の安定確保のための実践指導をJOCとの連携によって協同一致態勢で臨んでいることも、二つの団体が産業の基盤整備のために取組んでいる事例の一つである。個体識別管理制度や生体生産処理に伴う買上制度からの生産データの集積などがJOCとJOINによって整備されている。

JOCは会員制のサービス事業を行っている団体ではないし、JOINは手数料稼ぎの商売を行っている団体でもない。が、そのような誤った認識をもつ会員や組合員がいることも否めない事実である。オーストリッチ産業が、関係者にとっての社会であるとするならば、その社会で皆が生活を豊かにするためにJOCやJOINが社会性のある活動を行っていることを理解して完全無欠な組織ではないが、とにかくこの組織や制度をフェアにかつ合理的に運営していくために、組織のメンバーは共同事業の対する責任を負う必要がある。責任とはこの共同体がフェアで合理的に運営され、それによって自分を含む産業界が発展していくための努力を自分の仕事だと思う、ということである。 「このシステムにはいろいろ問題がある」と不平をいうこともあるし、それは悪いことではない。けれども「誰か何とかしろ」とか「システムに問題があるのだから、自分の利益のためには何をしても良い」というべきでなく、「問題のいくつかについては自分も知恵を出します」という大人の言葉をもって、より一層一体となった姿勢で自分の事業に取組んでいくことを忘れてはならないのではなかろうか。

前述の牛肉の生食による食中毒問題は生食が好まれるダチョウ肉にも多くの関係者から心配の声が寄せられているが、本誌の「JOIN国産ダチョウ肉の安全性」の項で広報しているのでご一読いただきたい。

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