JOCジャーナル80号
オーストリッチ飼育に関する情報・JOCの活動内容・会員情報が掲載されています。
(最新号は会員のみ入手可能となっております)
日本のトップクラスの研究者の方々に、分かりやすく書いていただいております。
連載記事
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特別寄稿 (1)南アフリカのオーストリッチ生産方式とその問題点
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特別寄稿 (1)自然界で行われているオーストリッチ卵の孵化(前)
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オーストリッチ産業の総説と今後第1部 過去の研究の総説(つづき) aオーストリッチの最新の飼養標準ー南アメリカ
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農場で飼育されるオーストリッチの受精や孵化に影響する要因受精における雄鳥の問題(2)
JOINでは日本中央競馬会による畜産振興事業の採択を受け、「ダチョウ自給粗飼料利用体系確立推進事業」を平成23年度から3ヵ年間継続して取組むこととなった。既に7月22日(金)本事業の推進委員会が開催され、3ヵ年間の事業実施基本方針を固め、今年度の事業計画も決定し、本事業が始動した。
昨年までの3ヵ年間実施した「ダチョウ安定生産体制構築推進事業」において”全国の多くのオーストリッチ飼養事業者の生産性安定化に向けた飼養管理ができていない原因は適正な栄養管理がなされていないことにある”という大きな問題点が明らかになったので、本事業はこの課題解決に向けるために実施することとなった。
初年度である平成23年度は全国のJOIN組合員が飼養事業をしている地域の利用可能な飼料原料(粗飼料)の分布予備調査を行い、更に10ヶ所の生産農場を選抜し、地元で粗飼料資源の調達が可能であるか、対象農場がそれを実践できるかの判断等を行うための指導を兼ねた現地調査を実施する。特に現地調査ではLivestockmanship(畜産人としての心得)を訴求し、それを理解の上でオーストリッチ飼養事業を畜産事業として実践していけるかという点を重視し、対象となる生産事業者を候補として、次年度の実践指導事業に向けて踏み込んでいくという計画でいる。
JOINでは飼養事業者である全ての組合員を対象にしたいという考えではあるが、限られた予算及び時間の中での事業となってしまうため、どうしても一部の飼養事業者に対象が絞られてしまう。しかしながら、本事業成果を全組合員に公開し、実践に結び付けてもらえるようにするため、24年度事業では自給粗飼料の利用体系を作成し、事業報告と共に全組合員へ配布する計画であり、更にまた、25年度は全国の主要地域において前年度作成の自給粗飼料利用体系を教材にして現地指導会並びにセミナー等の開催を実施することで、自給粗飼料の利用促進と普及に繋げていく計画でいる。
奥村純市JOC会長(名古屋大学名誉教授)は、海外の、特にWOA(世界オーストリッチ協会)が中心になって取組んできたオーストリッチ畜産化のための飼養管理及び栄養管理学に基づく生産実績成果の情報収集をしており、JOINではJOCと連携を図り、本事業を通じてそれらの生産実績を活かした飼養管理技術の普及を促進することで、ベンチャー的なオーストリッチビジネスから本格的な畜産業に進化させようと考えている。